時の話題 「藤井青年7冠」

 とかく暗い話題が多い中、将棋の藤井聡太6冠(20)が名人戦に勝利し史上最も若い7冠達成は久々に明るいニュースとして日本列島を走り抜けた。
 長野県高山村の「藤井荘」で対局が行われたことも話題を呼び因縁を感じると共に、羽生善治九段(52)以来27年ぶりの7冠ばかりか8冠目の王座も視野に入ってきた若き棋士だが、老成しているかのような喋り方は独特なものがあり底知れぬ器の持ち主であるのに違いない。
 ヘボだが筆者も子どもの頃から将棋をかじり一時はNHKのテキストを見て戦術を習ったもんだが、何事にも三日坊主の性癖によって大成(?)せずとも盤上で読み比べする将棋は楽しい知的遊びの一つだった。
 30年近い前のことだが、稚内に将棋がかなり(筆者と比べ)強い中村さんという読売新聞記者がおり対戦したが勝負にならず、こてんぱんにやられた。その後彼は他のマチに異動していったが、読売という大組織の中で栄達したであろうか。図太いところがなかったので異動当初は心配していたが、そのうち忘却してしまい今回、藤井さんの快挙で奇しくも思い起こした。
 一芸は道二通ずると言う言葉がある。一つの芸を極めた人は他の分野でも人に抜きん出ることができるという意味だが、その頂点に立った20歳の青年がこの先見るのは何なのであろうか。
 天才の事を推し量ることはできないが、恐らくとんでもない記録を打ち立てるだろう。
 余るほどの才能に努力を惜しむことない藤井青年を見ていると夢追った日々想起する。

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