時の話題 「空き家対策」

 筆者の執務室から見える古いアパートの解体工事を行おうとしているのだろう。先ず居室から畳など外に出す作業をしている。
 プレス社屋がある中央地区界隈は古い建物が多く、このアパートのよう解体するなら未だしも人が住まず空き家の増加が稚内ばかりでなく全国的な問題になっている。
 とりわけ地方では別の土地住まいの相続者が解体し更地にすると税金が高くなることもあって廃屋のままにしている家があり、雪国では雪の重さによる倒壊も憂慮されるので自治体自ら費用を出し解体することもある。
 古民家を再生し住居にしたり、古さを売り物に何らかの商売をするマチもあるが、稚内では見られず朽ちて行くだけである。
 ほどほどの人口(5万人以上か)があれば新たな事業も可能なのだろうが、稚内では理美容室や飲食店がオープンするのが精々で明るい展望はない。
 起業しようとする人への優遇策は市や商工会議所で行っているものの、何せ過疎化まっしぐらの稚内での新規開業は少なく手を拱いているのが実態か。
 先日、NHKで東京に近い場所での空き家問題が放送されていたが、首都圏でさえ窮状が増幅しているのだから過疎化著しい地方では致し方なしとの結論も止むを得ないとはいうものの、自治体の不作為も否定できず本当に悩ましい状況になってきている。
 人が住める家なら壊さず住めばよく相続者が悩んでいるなら税金など優遇する制度を作るなり対策を講じることが求められよう。社会の仕組みは融通無碍でなければならない。

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