南極派遣見据え 極地研研修生 市職員の鎌田隆雅さん

 工藤市長は31日開いた記者懇談会で、南極・北極を研究する機関「国立極地研究所」(東京)に人事厚生課の市職員鎌田隆雅主任(33)を派遣することを明らかにした。南極派遣を見据えた研修生として鎌田主任は「極地研では庶務などが役割なので、観測隊員のサポートをしっかりやっていきたい」などと抱負を語った。
 南極観測隊員派遣の権限がある極地研と稚内市が昨年2月に包括協定を結んだことを踏まえ、極地研から稚内市に対し人材派遣の要請があり、希望者を募った結果、鎌田主任が7月から1年間の任期で、今の南極観測隊員をサポートする南極観測センターに派遣されることが決まった。
 稚内市から次の南極観測隊員派遣を目指した極地研への派遣で、研修が終わる1年後に文科省から次の南極派遣隊員が正式に発表されるスケジュールとなっている。
 第52次で南極観測隊員になった市川正和人事厚生課長以来、15年ぶり3人目の派遣を目指し鎌田主任を研修生として送り出すことに工藤市長は「実現(次の南極観測隊員)すれば、この地域の子供たちに夢を与えることができるよう頑張ってほしい。先ずは1年間、研修に励んでほしい」と期待を寄せた。
 稚内市出身の鎌田主任は、はこだて未来大学卒業後の平成25年に市役所に奉職。社会教育課に配属された時に上司で稚内から2人目の南極観測隊員として派遣された市川さんから南極観測などの話しを聞き今回、極地研への研修を希望した。「南極と関わりが深い極地研の研修生に選ばれたことは嬉しい。1年間、健康面に気をつけて頑張りたい」と語っていた。