巧みな話術で引き込む 落語独演会 柳家さん喬、面目躍如
古典落語の柳家さん喬さんによる落語独演会が28日夜、えびなイベントホールで開かれ来場者は巧みな話術に惹き込まれていた。
独演会は柳家さんと親交がある相沢食糧百貨店の福間敏彦社長らで作る「稚内さん喬を聴く会」が主催し昨年まで北門神社社務所で行われていたが5回目の今年はエアコン設備があるえびなイベントホールに会場を移し開かれ落語好きの市民ら60人余りが集まった。
東京出身で5代目柳家小さんの門下として昭和56年真打に昇進。笑いが主体の滑稽話、人情話の古典落語に定評がある柳家さんは、暑い夏に日本人は古くから怪談話などで涼んでいたことなどを語った上で最初、古道具屋で安く仕入れた幽霊の掛け軸で大儲けすることになったが、掛け軸から抜け出してきた女の幽霊がお酒で酔っぱらう話の「応挙の幽霊」、幼なじみとの待った無しで碁打ちをめぐる「笠碁」、休憩を挟んで船頭に憧れる若旦那が、何をやってもうまくいかない男のドタバタを描いた「船徳」を披露した。表情豊かに情景が頭に浮かぶような巧みな話芸に聴衆の笑いが絶えなかった。
初めて生で落語を聴いたという70代夫婦は「以前から柳家さんの落語に興味があり、今回、ナマで初めて見れて楽しかったです。話しも上手で情景が頭に浮かび柳家さんの表情に引き込まれてしまいました」と話していた。