時の話題 「現場主義」

 中部電力の原発再稼働に向けたデータなど改ざんのお粗末なことこの上ない。社長の意向に従っただけであり、事がここまで来れば社長ら経営陣は社員の様子含め現場の事を知ろうとしなかった不作為があった。
 人間偉くなると若い時の現場主義に徹した自らの経験から部下から上がる書類や意見で判断することが増えてしまう。現場に赴き実態を見て判断しなければならないのに怠ってしまう。
 筆者が記者として若かりし頃、取材先に行き関係者の声を聴き記事にしたものだが、今の世の中、臨場しなくとも大まかな事はSNSなどネットを通して皮相を知り、これまでの経験から記事を書けるものの、臨場感が足りず、ただの記事になってしまう。
 今はコラムの執筆がすべてで浅薄であってもそれなりにはなる。それこそ経験によってだけ々々の文章は興せるがナマの声を反映したものでなく、物足りない内容になる。
 筆者は13年前に社長になった。当初、記者時代より楽になるものと楽観視したが、やる事が多く要領得ず手が回らないことが間々あった。現場回りはさすがに今でも少ないが人の声は極力聞くようにはしている。
 上になって社員に現場を任せるようになると独善的に陥り判断を誤る確率が高まり、中電のような事態にもなってしまう。
 組織の大小問わずトップが現場回りをしなくなれば今、何が起きているのかも分からず判断違いをする。
 要は社員・職員よりも頭の中、心の中ともトップは忙しいということである。