時の話題 「武部大臣の課題」
武部新農水大臣が直面する課題は、前任者の不祥事で揺らいだ農政への信頼回復と、農業・水産業が抱える構造的危機への即応という二重の課題を背負わされた。
まず、簗前大臣の発言や政治資金をめぐる疑念によって、農水行政の公平性と透明性が問われたことに対し、武部氏は「信頼できる政策運営」を掲げるが揺らいだ信頼を再構築するには政策決定の過程を丁寧に示し、現場の声を反映する姿勢が不可欠となる。
次に、アメリカ産生鮮ジャガイモの輸入解禁問題が喫緊の課題として浮上する。北海道は国内生産の大半を担い、病害虫の侵入リスクは高まり価格競争の激化は地域経済に直結してくるであろう。
武部氏自身も強い懸念を示しており、国際交渉と産地保護の両立という難しい舵取りを迫られる。さらに、コメ価格の乱高下や漁業資源の減少など、一次産業全体が不安定化しているなか、民間在庫の増加による需給のゆがみ、サンマ・サケの不漁、ロシアとの漁業交渉の不透明さなど、課題は多岐にわたる。
加えて、食料安全保障の強化やスマート農業の推進といった長期的テーマも避けて通れない。
北海道選出の大臣として、地域の声をどう政策に反映し、国際環境の変化にどう対応するのか。武部氏の手腕が農政の信頼回復と日本の一次産業の未来を左右することになる。
食料自給率が40%を切る状況にあって主食となるコメは生産農家と農協などの自助努力によって消費量に見合うだけの生産は維持しているがこの先は不透明だ。 (伊藤康生)


