歩いて宗谷岬へ 年越し過ごす 竹岡さんと山下さんペア 

 年越しを宗谷岬で迎えるため新千歳空港から徒歩旅で北上してきた愛知県の竹岡快輝さん(25)と、福岡県の山下優子さん(29)さんカップルが稚内入りした。宿泊先のゲストハウス・モシリパで本紙の取材に応じた2人は「厳しい寒さの道のりでしたが稚内まで無事に到達し嬉しい。年越しが楽しみです」と胸を弾ませている。
 北海道の冬の厳しさを身を持って体験したいとして、11月25日に千歳をスタートし毎日平均20㌔歩を進め、札幌から留萌など日本海側を歩き、豊富から国道40号を北上して約400㌔を歩き今月23日にモシリパに到着した。
 道中は殆どが野営のテント泊。八ヶ岳の山小屋で働いてた経験を持つ2人は寒さに慣れていたとはいえ「北国の寒さは一味違う。この地域に住んでいる方は逞しく感じるし、歩いてこそ分かる北海道の雄大な景色は本当にすごい」と実感を抱いていた。
 第1目標の宗谷岬で年越しを終えたあとはオホーツク海側を南下し道東などを通って再び新千歳空港に戻る。残る行程は1400㌔ほどあり、来年3月末迄にゴールを目指す。
 28日は早朝からノシャップ、抜海など稚内を徒歩で一周した2人は30日明け方に宿を発ち、日没までには宗谷岬に到着する計画で「越しで宗谷岬には沢山の方が来ると聞いています。新しい年の良いスタートを切りたい」と期待を寄せている。
 年越しのためモシリパには大晦日にかけて40人ほどが宿泊する。女将の武重美亜さん(39)は竹岡さんや山下さんら稚内に来た旅人にとって「年越しは特別の雰囲気があります。旅とはどこへ行くか、何をするか、誰と会うか。誰かと会うために宗谷やモシリパを選んでくださっていると思うので、良い思い出を胸に一年の幕開けを切って欲しいです」と話していた。(武田誠司)