時の話題 「衆院補欠選挙」

 予想通りの結果だった。衆院島根1区補選で立憲民主党元職の亀井亜紀子氏が、自民党候補に対し2万5千票もの大差をつけ圧勝した。東京15区と長崎3区に候補を立てず不戦敗した自民党にとって死守しなければならなかった保守王国としての牙城であったはずが、意図も簡単に崩れるとは。パー券裏金事件の国民の怒りの結果とはいえこれほどとは。
 この全敗で早くて6月との観測気球が上がっていた衆院選は延ばさざるを得ない状況になり、岸田総理の再選もかなり厳しくなったとの見方ができるものの、この方なかなかしぶとい性格を持ちあわせているようで、暫く権謀術数の魑魅魍魎の世界になるだろうか。
 今回の3つの補選は今後の政党の在り方を巡り幾つかの示唆があった。東京15区では小池都知事率いる都民ファーストが推薦する乙武洋匡氏の得票数が伸び悩んだことであった。当選した酒井菜摘氏の4万9476票から5番目の1万9655票しか取れなかったという事実に、小池知事の国政への転換は絶たれたという一部報道あるも筆者はそう思わない。彼女が望めば小選挙区制の衆院選は兎も角、全国区の参院選はいけるであろう。
 カイロ大学卒業という学歴詐称の噂は消えず、市場の移転で物議を醸すなどパフォーマンスが先立つ彼女の政治への姿勢は擬い物の臭いがプンプンする。
 GW中の投票日とはいえ3選挙区とも過去最低の投票率に終わったことは日本人の熟度が問われよう。
 09のようなうねりはないが、自民党という牙城の基礎に綻びを感じる此の頃だ。

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