時の話題 「テーマ忘れ徒然に」
きょうの小欄テーマは昨日の散歩中に思い及んだのだが、いざ書こうとした時、忘れてしまい思い出そうとしても浮かんでこない。この5年ほど物忘れが多くなっている。
映画「君の名は」のように〝忘却とは忘れ去ることなり〟ならロマンチックだが、いわゆる高齢者の忘却は単純な物忘れとなり、当人にとっては悲劇に近いものがある。
そのうち思い付くさなどと軽く考えられない深刻さがあり、物書きを生業としている筆者にとっては致命的とも言える。このため普段からメモを取るようにしているのだが、散歩中に思いついた事を書き留める訳にはいかず、今回のような事態が生じる。端から見れば喜劇に映るやも知れぬが、当人にとって深刻で悲劇に近いと言わざるを得ない。
この原稿を書き始め10分近くなるのだが、思い出せずにいる。苛々が募るばかりだ。
ほかの仕事ならまだしも〝書き屋〟が書くテーマを忘れるなんていうのは恥ずべきことであり失格だ。仕事への責任感が足りないことも裏付けている。
こういうこともあって「書けなくなれば今の職責から身を引かなければならない」と普段から言っているが、その日が来るのは案外近いかも知れない。
晩節を汚すほど仕事や地位に執着してはならないのは人の世の常と言えるも、結構しがみつく御仁を見掛けることがある。
都会も田舎も、官も民も、そして政治家もそうである。人の一生なんて短い。仕事だけでなく、特に男どもは家庭や女房孝行をしたらどうなのかね。今さら無理かな?