時の話題 「2024年問題」

 トラック運転手の残業規制で何故問題が生じるのかというと物流すなわち商品が滞り消費者や荷主に迷惑が掛かるだけでなく、運転手の賃金にも影響が出るからである。
 トラック運転手の賃金は決して高くなく残業をし、それなりの給料を得ている現状だが残業を減らすことにより収入が減ってしまうという副作用がある。この規制は医師や学校の先生などにも適用され、医師の地方病院へのアルバイト就労にも影響が出てくるだろうし、教師も規制される分の基本給10%アップの検討に入っている。
 「働き方改革」という聞こえのいい改革によって過労死など防ごうという目的なのだろうが、この5年間、ソフトランディングしようとしてきたものの、時間切れで導入に至ったというのが真相なのではあるまいか。
 ここまでは筆者個人の見解と言おうか推認なのだが、国はまずもって物流を正常にし持続可能な状況に変えて行かなくてはならないという悲壮な決意をもってして断行する気構えにあることが先日開かれた北海道運輸局の蹴揚交通政策部長の講演で分かった。
 監視役のトラックGメンを配置してでも物流改革を断行しようとする意気込みが重々伝わっただけでも国(国交省)の本気度が分かろうというもので、稚内商工会議所もタイムリーな企画をしたものである。
 トラック業界だけでなく、いずれあらゆる業界で働き方改革を実行せねばならず、私どもマスコミ業界もマンパワー重視から脱却するきっかけになればと思うも言うは易く行うは難しになるのかな。