意見あり予定より延びる ユーラス社 風力発電事業説明会開く
風力発電事業国内最大手のユーラスエナジーホールディングスは21日夜、文化センターで稚内、猿払などで計画している「宗谷管内風力発電事業」(仮称)の説明会を開き、参加した市民20人余りに事業の詳細などを説明した。
ユーラス社は通年での風況観測調査を実施し一定の風力が見込まれるとして稚内~猿払~豊富の宗谷丘陵地区と豊富~幌延の上幌延地区の2地区で最大100万㌗で1基当たり4000~7000㌗級風車を最大160基建設する計画をしている。
開会の冒頭、ユーラス社の加藤潤稚内支店長が道北地域は風力発電にとって優れた地域であること。道北で同社が2022年から進めている風車6事業が来年春までに全ての風車が稼働することなどを説明し「今回は道北で次の事業計画の説明をさせて頂き、意義のある建設的な意見交換の場にしたい」などと挨拶した。
担当者からユーラス社が計画している事業説明あと、意見交換会に入った。道北で相次ぐ風車建設に否定的な考えを持つ参加者から「20年~30年先に風車が役目を終えた時に、景観を戻すことはできるのか」との指摘に対し、加藤支店長は「事業が終了したあと、現状回復して土地を返すということを地権者と約束している」と答えた。「風車建設地に希少生物イトウの産卵床が含まれいるのでないのか」との質問に対し加藤支店長は「計画で産卵床と確認されている場所は事業エリアから外している。ただ今後、環境影響の現地調査でイトウの場所が確認されれば、事業エリアを縮小する可能性もある」と述べた。
参加者からは地震が起きた時の風車の耐震性、風車を廃棄した際の処理方法なども質問され、説明会は予定より50分ほど延び午後9時前に終了した。