名古屋外大の学生が国境の街、研修に 4年ぶりに稚内合宿
ロシアと国境を接する稚内の現状などを研究するため稚内入りした名古屋外国語大学の学生が21日~23日まで市内各所を視察し、国境の街の課題などを探った。
世界共生学科を専攻し日本やユーラシア、アジア、欧州などの国境での民族、宗教、経済格差など研究テーマに取り組んでいる3、4年生11人は、稚内合宿するため来市。初日の21日午後は市役所を訪問し交流推進課の職員から国際交流に関しサハリン交流や外国人実習生として市内でベトナム人らが多く働いていることなどの説明を受けた。
合宿2日目の22日、北防波堤ドーム横に停泊している稚内海保の巡視船「りしり」を視察。船内で担当者から管轄区域での業務内容、稚内から43㌔先にはサハリンのクリリオン岬があり、国境の街として「日本の漁船が安全に操業できるようにするのが我々の重要課題の一つ」などとの話しを聞いた学生たちは稚内が日本の安全保障の最前線であることを認識していた。
23日にはサハリンに何度も行った経験を持つ写真家・斉藤マサヨシさんをガイドに宗谷岬、樺太記念館、北防波堤ドームなどを見学した。
学生の一人は「稚内の街を歩いているとロシア語表記の看板などがあり、改めて国境の街であることを認識しました」と話し、引率の地田徹朗准教授は「稚内合宿はコロナ禍によって4年ぶりになります。サハリンとの関係性、実習生としてベトナム人など稚内で多く働いていることを聞いた学生には、グローバル(国際的)な考えを持ちつつ、そのスキルを社会に活かしてほしい」と話していた。