時の話題 「保守王国での敗退」

 「かかあ殿下とからっ風」で知られる保守王国群馬県の前橋市市長選で4期目めざした現職市長が新人の元県議、女性弁護士に敗れるという大波乱があった。これまで福田赳夫中曽根康弘、小渕恵三福田康夫氏と4人の総理大臣を輩出している群馬県の県庁所在地の前橋市で1892年以来、初めて女性が市長になったのは〝かかあ殿下〟という風土があったにせよ大激震の政変劇であり、自民党のキックバック(裏金)事件が尾を引いたのに違いない。
 得票数は新人の小川晶氏6万486票、前市長の山本龍氏4万6387票。1万4千票もの大差がついたのは市民が自民党の裏金問題にお灸どころか断罪した結果といえよう。
 来る4月の衆院補選(4選挙区)での自民・公明与党の苦戦は必至で余程の対策を講じねば全敗の可能性が現時点では濃厚だ。
 将来の総理候補と言われた小沢一郎氏が脱党し野党各党と新政権を樹立したが、永年敵対してきた社会党とくっつくなどし政権に返り咲き、2009年10月にも旧民主党に敗れ下野したものの、安倍晋三氏の総裁返り咲きにより政権を奪い返し8年にも及ぶ政権で好き勝手な事を実行したのは言うまでもないのだが、国民が支持したのは自民党だった。
 傲り高ぶった末の裏金問題で崖っ縁に立たされている自民党に起死回生策はあるのか。
 金権問題で失脚した田中角栄総理の後任となった三木武夫氏のよう清廉な政治家の登場を願っている。党内で嫌悪する人が多いようだが、石破茂氏が新総裁になれば潮目が変わるのでないのかな。