過疎地押し付けに警鐘 風力発電考える会 市川守弘弁護士が講演

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 稚内そよ風の会主催する「みんなで学ぼう風力発電」が11日午後、南地区活動拠点センターで著名な弁護士である市川守弘氏を講師に招き開かれ、「〝環境正義〟の視点からも過疎地に(風力発電施設建設を)押し付けようとするのはダメ」などと宗谷管内での風力施設建設に警鐘を鳴らしていた。
 30人ほど集まった参会者を前に、市議の平尾会長が「尾根伝いに立つ風車の光景は異常であり風車を建設することで生息地を奪われるクマなど動物が人里に出没するようになり牧草地が荒らされ人も襲われるようになる」などと挨拶したあと、事務局職員から宗谷丘陵にある現在57基ある風車などの更新と増設の計画案が示され、市川氏が講演した。
 市川氏は「個人的に再生エネルギーには大賛成だが、風車や太陽光施設を建設するために自然を壊しており、環境という観点で稚内など過疎地に立地を押し付けるのは到底認められるものでない」と述べた。
 風車稼働での低周波音での睡眠障害など問題が起きており、そもそも国有林(道有林、市有林も)は自由に貸し出せず風車建設は出来ない筈なのにおかしいとし、「これは森林用地の目的に違反している」と述べた。
 講演後、参会者から「市は固定資産税が入るので風力発電を推し進めているのだろう」など意見があり、市川氏は「環境アセスメントに目が行きがちだが森林保全などにも注視しなければならない」と話していた。