時の話題 「シカならとも角」

 のどかな秋の朝、社屋の前に生まれて間もない子ジカがおり、可愛らしさにクギ付けに。札幌でのシカ出没の喧騒をよそにまんじり見詰めてしまった。
 200万人近くが住む札幌と3万人ちょっとの人口しかない稚内との違いなのだろうが、正直、大騒ぎし過ぎである。クマなら兎も角、黙って何もしなければ危害を与えることがないシカのおっとりした性格を知らな過ぎる。市議会議員でも稚内に視察しに来たらどうかね。
 シカは稚内といえど畑を荒らし車との衝突事故も少なくなく厄介者となり市などは駆除に力を入れているようだが、根絶やしにするまでの様子は無いようで、田舎町の実状と言えようか。
 ニュースによるとクマ被害が全国的に増えており、今年はこれまで60人以上の被害者がいる。死者はいないようだが体が大きく爪が鋭いクマに襲われた場合、軽いケガで済まず中・重傷のケガを負う。10年以上前の話だが、紋別にいる叔父がクマに襲われ瀕死の重傷を負ったことがあった。叔父はハンターで猟銃を持っていたはずだが、不意を衝かれたのであろう。
 クマの市街地への異常出没は夏の高温により主食のドングリなど実が少ないことが原因のよう。動物というのは食べなければ自らの生存が危うくなるので「人間社会は危険」という本能を無視しても人里に食べ物求めて出没するのであろう。
 4年ほど前だったか生息するはずがないクマの足跡が利尻島で発見され専門家は海を渡ったと説明していた。
 その程度なら御の字である。

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