「地域経済支える責任」 増田信金理事長 中国禁輸で記者会見

 中国による日本の水産物の全面禁輸措置を受け、稚内信金の増田理事長は30日夕方、記者会見し、今後の見通しなどについて「処理水の問題については長期間に及ぶというダメージも覚悟しなければならない。地域全体の問題として捉えるべきだ」などと述べた。
 増田理事長は、政治的背景や中国の姿勢から長期化は確実であり、ホタテやナマコなど管内の主要魚種の生産、製品価格の低下、インバウンド客のキャンセル増加など影響が出るとする一方、食品加工の技術、設備に投資する機会になり国内市場に目を向けた取り組みが必要になる。人手不足が深刻な宿泊業者にとってはインバウンド受け入れ体制づくりに向け時間の猶予ができるとした。
 信金としては、管内の事業者に影響が出るものとし9月1日から緊急融資制度を設けることにしており、増田理事長は「貸倒引当金でリスクを負うことになるが、地域経済をバックアップする責任がある。すぐに影響が出るわけではないが安心感を持ってもらいたい」と話し、今回の措置について「業種問わず当事者意識を持つ局面に至っており、協力して対策に繋げて行くべきである」とも述べていた。