1匹も漁獲されず 声問3カ統 サケ定置網漁 本格化はズレ込みそう

 宗谷管内の秋サケ定置網漁が30日、解禁された。例年、一番に水揚げする声問地区では網にかかるサケが1匹もない異例事態となった。
 30日、声問地区の3カ統では、網入れが終わった。例年であればアザラシによる食害があることから朝、昼、晩の3回水揚げしているが、サケの気配は全くないようだ。
 31日午前中までに数回、定置網の様子を見に行った第七永宝丸の吉田敬直さんは「40年以上、漁をしてきたがこんなことはなかった。燃料代も高騰しているのでもう少し涼しくなってから漁に出ようと思っている」と話していた。
 31日午前中、真夏日に近い気温まで上昇するなど、この時期としては異例の暑さが続いていることで、サケが回遊してきてないのではないかと漁業者は不安を募らせている。
 稚内水試、さけます内水面水産試験場(恵庭市)によると、海水の表面温度は3週間以上も平年より高い状況が続いており、水深20㍍位まで暖かい場所もあり、サケはさらに深い水深の場所で待機していることも考えられるとし「日本海側は例年であれば9月下旬が漁獲のピークだが、過去には海水温が高く10月上旬にずれ込んだこともある。サケが姿を見せないのは海水温が影響していると考えられるでしょう」と話していた。