慶応大生発表会 捨てたもんでない医療 良さ伝わらないジレンマも
16日から稚内で地域診断を行ってきた慶應義塾大学の医学生ら9人が25日夜、文化センターで実習発表会を開き、地域課題解決に向けた考えを提案した。
学生達は、地域住民や企業などの聴き取りをし小学校での出前授業、高校でのアンケートを通し医療だけでなく稚内全体の課題について探り、その解決方法の糸口を探ってきた。
参加した30人ほどの市民を前に、坪田侑也さんら3人は、介護認定を見越した支援が活発に行われていることなど、行政や業者との連携や連帯が出来ている稀有な地域であることに触れ「希望する最後の生き方を実現する制度などが整っている」とした。
医師不足が嘆かれているが稚内は今年度、研修医が募集定員4人に対し13人(倍率3・25倍)と旭川や名寄などよりも人気があるとし、その理由として市立稚内病院では、診療科や医師と看護師の垣根がないチーム医療で取り組んでいること、研修プログラムを自分で組むことが出来ることなどにあると述べた一方、稚内の医療に尽力している人が沢山いるのにも拘らず、その良さが住民に伝わっていないことが課題だとした。
より多様で発展した稚内ならではの医療推進など目指すべきであるとし「稚内は顔が見える関係や繋がりなどで発展してきた街。人の輪を紡ぎ出し未来を担う子供を育てていければ医療など地域的課題解決に繋がって行くのでは」と締めくくった。