時の話題 「思い通りには」

 昨日曜日は大相撲名古屋場所の千秋楽、NHK大河「どうする家康」で本能寺の変が放映されるとあって前日から一日千秋の思いで待っていたが、どちらも予想の範囲を出ず、ある意味、つまらなかった。
 織田信長が明智光秀に討たれる本能寺の変は信長と徳川家康の竹馬の友ぶりが変に描かれ権力闘争の中での人間の醜悪さの突っ込みが足りずガッカリした。大相撲は前日の北勝富士戦で土俵際の突き落としで勝った新入幕の伯桜鵬が関脇豊昇龍を敗ること念じるも呆気なく敗れ、夢想した新入幕で初優勝という109年ぶりの快挙劇は潰えた。
 北勝富士との優勝決定戦もあっさり勝った豊昇龍が強かったということになるわけだが、場所前に大関同時昇進の期待が大きかった大栄翔と若元春と違ったのは奇策を用いず正攻法の相撲に終始したとことであろう。
 勝利だけ願った奇襲策には相撲の神様も厳しかったということであり、どちらも9勝止まりで夢が潰えた2人には正々堂々とした相撲をとり大関取りに再挑戦してほしい。
 話は逸れるが、奇襲作戦は奇襲でしかないのは太平洋戦争の真珠湾攻撃然り、その場凌ぎの戦術なのだが、信長が今川義元を敗った桶狭間の戦いのよう信長のその後の天下統一「天下布武」の足掛かりとなったのは偽りない史実であり、矛盾するような勝敗感と言えなくないものの、小が大を制するのが勝負事の醍醐味といえど、大が敗れる確率は低い。
 今後の2力士の巻き返しと伯桜鵬に期待しているが思い通りにはならんであろう。