信金南支店で沖底船など 往時を紹介する写真展を開催中

写真を見ながら思い出を語る中澤海友会長

 船員OBの稚内海友会による昭和40年代などの沖底漁船の操業の様子を紹介する写真展が稚内信金南支店で開かれている。6月9日まで。
 通信士や船頭として沖底漁船に乗り、今は海友会会長の中澤和一さん(75)が、昭和52年に制定された200海里以前に盛んだった底曳網漁、カニ漁などの歴史を伝えようと開いている。
 宗谷湾で大量に漁獲されたタラバガニ、漁船が交代で流氷に体当たりし流氷を割りながら進む過酷な冬漁の様子など、今では見ることができない希少な当時の漁を撮影した30枚の写真が展示されている。
 このほか200海里制定当時に操業していた沖底漁船の名簿、中澤さんが乗組員として働いていた操洋丸の大漁旗、ズワイ船、マグロ船など114隻の船名や船体の着氷を落とすカケヤと呼ばれる道具やオッター船のロープ、地元気仙沼の友人から寄贈され、イベントで着る法被が初めて展示されている。
 「昔は間宮海峡と同じルートで操業していた。船頭たちは競い合い、時には協力しながら漁を行ってきた」と往時を振り返った中澤さんは「過酷な漁が稚内の経済を支えてきたという歴史を知ってもらいたい」と話していた。

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