【れんが通信所フォーラム】「現存するのは奇跡」 今後の活用に貴重な提言

「稚内のポテンシャルは本当に凄い」と切り出した丁野文化庁日本審査・評価委員

 稚内市歴史・まち研究会(富田伸司会長)は20日、文化センターで稚内赤れんが通信所の活用について考えるフォーラムを開き、歴史的建築物に詳しく全国各地の観光振興に携わる専門家から施設の今後の活用法でのアドバイスを受けた。
 今年3月、恵北の赤れんが通信所B棟とC棟が稚内市の有形文化財に指定され、修復保存を進める上で観光資源としての歴史的資産の果たす役割や重要性について考えるフォーラムに参加した市民、関係者100人余りを前に、富田会長は「様々な遺跡、歴史的価値の建物がある稚内の物語を知ってもらい、観光に活かしていきたい」などと挨拶し、通信所のC棟、過去に大雪で屋根が崩落したことがあるB棟の修復完了までの経過説明などし「古い建物を全て残すのは難しいですが、この地域にとって本当に重要な建物についてはなんとか保存し活用を考えていかなければなりません」と述べた。
 このあと日本観光振興協会総合研究所顧問で文化庁日本遺産審査・評価委員の丁野朗氏が「歴史をまちづくりに活かす道しるべ~稚内赤れんが通信所をどう活かすか」と題し講演。フォーラム前に赤れんがや北防波堤ドームなど視察した感想として「このマチが持つポテンシャル(可能性)は本当に凄い」と話しを切り出し、産業遺産や文化遺産などの選定に長く関わった経験を踏まえ、6万坪の敷地面積がある赤れんが通信所について「あの規模のものが残っているのは奇跡な事で、札幌など都市部にあったら無くなっていたであろう。空港や市街地に近く、通信所を活かしサイクリングツアーなど観光の可能性を秘めている。文化財を守るには地元の理解が何よりも重要」と話した。

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