あす審判の日迎える 市議選混沌 市長選は主張が真っ向対立
23日、告示以来のしのぎを削る選挙戦を終えようとしている市長選と市議選の審判の日を迎える。
市長選は4選めざす工藤広候補(73)に対し、元市議で会社役員の佐々木政美候補(60)が挑む一騎打ちの戦いとなった。
工藤候補は▽保育所待機児童ゼロ▽特養老人ホーム待機者ゼロ▽高校生までの医療費ゼロに加え▽子育て世帯の給食費半減▽ゼロカーボン稚内と、5つのゼロを前面に出し▽暮らしづくり(在宅医療センター創設など)▽基幹産業・地域資源を活かした仕事づくり▽基盤づくり(中央地区再生と南稚内駅前の整備など)▽ふるさとづくり(宗谷岬周辺の整備とサテライトオフィス設置など)▽人づくりの〝10の約束〟を公約として選挙戦を展開。
一方、佐々木候補はしがらみ政治一掃を掲げ▽名寄市がリーダーとなり進むJR宗谷線代替となる稚内~名寄間のバス実証実験を止めさせ宗谷線を存続▽紋別市の200億円の10分の1の20億円しかない〝ふるさと納税〟を大幅に増やし地元企業をバックアップするほか、市役所新庁舎建設を白紙に戻し、アーケード街を建設地にし10年後に起債ゼロ(無借金)で新庁舎建設という青写真を具現化したいとしている。
定数18に対し23人(現職14、元職1、新人8)立候補した市議選は、混沌としたまま投票日を迎える。
工藤広選対事務所 勝利向かって気緩めず
3期12年間の実績で4期目当選をめざす工藤候補の選対事務所は最後まで気を緩めず勝利に向けて士気を高めている。
3月中旬の事務所開き、告示からの選挙戦について風無後援会長は「これからの稚内の先を考え、3期12年の実績という根拠がしっかりあり、工藤さんの地に足のついた持続性を持った政策の訴えは皆さんにしっかり伝わっている」と述べ告示から市内中を夕方まで選挙カーで隅々まで回り、街頭演説や個人演説会などで4期目の公約に掲げている全ての子育て世帯の給食費半減などの5つのゼロなど〝10の約束〟などを訴えてきた工藤候補は「毎日、自分の思い必死で訴えてきました。最後まで全力で政策を訴える」と気を緩めない。
投票日前日の22日は選挙カーで市内一円を回り、午後6時からみはらし会館で開かれ個人演説会に臨む。
「1月の出馬表明から4期目に向け、後援会一丸となってやってきた。3期12年の実績を土台に政策を皆さんに強く訴えていく」と風無会長は語気を強めていた。
佐々木政美候補 演説会での反響を勝利に
市政のあり方に異議を唱え、当選を目指す佐々木政美候補は、後援会を作らず「しがらみ政治の一掃」を掲げ戦っている。
発表した政策を街頭遊説よりは個人演説会でしっかり伝えたいと話す佐々木氏は、18日から4日間、市内8カ所で演説会とスタッフによる電話での広報活動を行い、支援者に対しJR宗谷線の存続、市の新庁舎をアーケード街に建設する街の再生防空壕型津波避難観光トンネル建設、あらゆる事業にふるさと納税を活用し次世代に負担を残さない政策など訴え、着実に支持者を増やしてきた。
投開票まであと一日となった22日、佐々木氏は「8カ所の演説では大反響があった。市民が稚内の課題を共有し、広げてもらえれば私が負けたとしても多くの課題解決に向かうことができるという確信を持った」と話し、最初で最後の街頭演説に向かった。
市長選は11時頃に確定か
23日投票される市長選・市議選の開票作業は午後9時から市体育館で行われる。市選管によると、市長選の趨勢は午後11時頃をメドに確定する予想。
投票は38カ所で午前7時~午後8時まで行われる。郡部の14カ所は2時間繰り上げ午後6時までで終える。
開票作業の途中結果は1回目が午後10時(開票率30%程度)、10時半(同70%程度)11時、11時半に発表。
15日現在の選挙人名簿登録者数は2万7254人(男1万3455人)、前回の市長選投票率は64・20%、市議選は64・17%。
17日~20日までの期日前投票は2480人、前回の選挙では3618人が投票しているが、4年前は最終日と前日の2日間で1450人が投票していることから、市選管は最終的に前回を上回るものとみている。
わっぴーが開票生中継
FMわっぴーは23日午後10時から特別番組「稚内市長選・市議選開票速報」を放送する。
市議選立候補者(届け出順)