先週のことども
先週1週間を振り返る時、紙面の大半を知事選、道議選など統一地方選の記事で埋まりミニ新聞(読者曰く)で読者の方々に思うような情報を提供できなかったこと遺憾としながらサニータウン裏のはまなすの前浜がニシン群来を示す乳白色に染まった事は昭和のロマンを呼び起こし昭和生まれの筆者として感慨深いものがあった。
明治以来あれだけ獲れたニシンが突然消え失せたのは筆者が生まれた昭和29年(1954年)のことで、実際先祖は〇〇場所と自らの姓を付けた網元であった。往時のことは知る筈もないが、他界した叔母の話では朝昼晩の御飯時、家族や雇用人のほか身ず知らず人も加わり食卓を囲んでいたというのだから大らかで豪奢な様子を窺うことができる。
ニシンが浜に大群となり押し寄せ一夜にして富を得た光景は売れっ子作家で後に直木賞に輝いた、なかにしれいさんの「兄弟」などでも書き綴られており富を得た人間がいる一方、借金して〝一起し千両〟に挑むもなかにし氏の兄のよう裸一貫での再出発に失敗した人もいるなど人生いろいろであった。
稚内だけでなく利尻島、礼文島もニシン漁で栄え両島に美人が多いのも男だけでなく女性も地方から来て働いていた事を示すものとして興味深い。
パタリと途絶えたニシンが日本海で復活してきているのは道や漁協など関係者による稚魚放流の賜でこれからの漁上伸が期待されるも地球温暖化による海水温上昇が気懸りではある。
何につけ復活というのは気がそそられる。浜値安いが好漁を。