時の話題 「手緩い議論」

 先日の市議会民生文教常任委員会で、自転車に乗る13歳未満の子どもには、これまで保護者がヘルメットを着用させるよう努めなければならなかったものが、今年4月からは年齢に関係なくと自転車に乗る全ての者がヘルメット着用が、強制力も罰則もないが義務化される。
 これに対し、児童生徒の保護者や一般の方への周知に関する奥のない議論が遣り取りされていた。
 全国では自転車事故で年間約400人も命を落としている。亡くなった人の殆どがヘルメット未着用だ。
 実態調査では、全国のヘルメット着用率は11・2%、1位の愛知県でさえ29%、そして47番目は僅か2%の北海道である。
 努力義務とはいえ、自転車に乗っている者が事故にあった場合、ヘルメット未着用では被害者にも過失があるとされ、賠償額が減らされることを知っていれば違った議論になったのだろう。
 ヘルメットは自己防衛だが、近年自転車事故での賠償額が高額しているのをご存知だろうか。相手が死亡したり重大な障害が残ったケースでは9000万円を超える判例もある。あなたは補償できるのか。
 自転車賠償保険加入を義務付ける県がある一方、北海道は義務付けしていない。
 本市の状況でも、相変わらず逆走している者を見かける。
 自転車は軽車両である。交通ルールを守り未然に事故を防ぐ、身を守るためのヘルメット着用、万が一の事故の際、被害者救済のための賠償保険加入、これらを合わせ議論すべきであろう。

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