時の話題 「平岡校長の講演」
稚内商工会議所の新春経済講演会で平岡大谷高校長の「地域公共交通に関する一考察」という講演を聴き「大谷高は大変立派な校長先生を迎えた」ということ痛切に感じた。
1年余で退職してしまった中尾忠先生の後のピンチヒッター(失礼)ぐらいにしか考えていなかったが、今回の講演を聴き巻頭のよう思った訳で、先ず35㌻にもなる資料をよく作ったものだと感心した。講演の趣旨を判り易く解説した資料なのだが、稚内に赴任し1年も経たないのによく調べ上げまとめた資料は一級品だ。
JR宗谷線の輸送密度(利用客)と収支。続いて都市間バスダイヤを網羅した詳細図のミッシング・リンク(欠けた部分)など浮かび上がらせる中での高速バス時間の短縮には規制速度の緩和(現行時速70㌔~100㌔→120㌔へ)など目からウロコの発想には常識でない見識に裏打ちされた着想力を持った人との感を強くした。
平岡先生自身が札幌と稚内を行き来し不便に感じた体験から話しているだけに説得力があり稚内・丘珠空港間の路線復活は我が意を得たりの話であった。
稚内市など全国にある自治体は〝ふるさと納税〟然り都市間競争の時代にあるが、この競争を止め都市の間の協力関係こそ大事である―とした主張にも道内屈指の識者であること証明するに十分であろう。
都市間協力は医療方面で発揮されるべきだとした稚内と名寄との病院間連携は語り尽くされているとはいえ喫緊の課題であること疑いなく、大谷高はいい校長を招へいしたものである。