市立稚内病院 19日から軽症者に抗原検査キットを保健所車庫で無料配布

記者会見する工藤市長、辻井局長ら

 新型コロナの感染拡大を受け、工藤市長や辻井宗谷総合振興局長らが17日、市役所で合同会見を開き、市立稚内病院など医療機関の逼迫を避けるため、軽症の感染者向けに自宅で検査できる抗原検査キットを無料配布することを明らかにした。19日から稚内保健所横の車庫で始める。
 会見には國枝市立稚内病院長、伊坂宗谷医師会会長も出席。院内感染の拡大で診療制限などを行っている市立病院でこの数週間、発熱外来が逼迫した状態が続いており、コロナ以外の入院、外来などに大きな影響を及ぼしているとし、負担軽減のため会見の場を設けたとした市長は、逼迫している発熱外来は▽陽性か陰性かの判断のために来る人▽症状はあるが軽症の人が受診するのが殆どで、先ずは重症化リスクの高い65歳以上や乳幼児、妊娠している人や基礎疾患のある人はこれまで通り発熱外来を受診してほしいとし、道陽性者登録センターに申請して受け取る検査キットが届くまで数日間を要することから「今回、宗谷総合振興局と共同で軽症者向けコロナ検査キット配布所を臨時に開設することにしました」と述べた。
 市長は「市民の皆さんに協力して頂くことにより医療関係者にとって本来対応しなければならない、ほかの患者さんに向き合うことができ命を救うことにも繋がるので是非、ご理解頂きたい」と市民に協力を求めている。
 院内での集団感染、診療制限などについて説明した國枝院長は「来週23日には陽性患者、陽性の職員が職場復帰できる見込みで、その時点をもって感染拡大が無ければ通常の診療に戻していきたい」との考えを示した。
 市立稚内病院含め市内4カ所の病院で発熱外来を対応している状況について説明した伊坂会長は「今までで経験の無い感染者数が出ている状況で、電話が繋がりにくく、診察してもらえない状況になっている。感染者数を減らしていかなければ本当に医療崩壊に繋がっていく」と危機感をにじませた。
 辻井振興局長は、軽症者向けコロナ検査キット配布について、19日から毎日午後1時~3時まで配付(予約不要)、市立病院のクラスター収束まで実施。①発熱等の症状で軽症の人②64歳以下で重症化リスクの無い人③薬の処方を必要としない人が対象で、1人につき1個配布(家族代表が取りにきても可能)とし、発熱外来の逼迫解消に向けた今回の取り組みに「市立稚内病院の診療体制が一日も早く通常に戻り、宗谷地域に必要な医療が適切に提供できる体制を維持するため、この取り組みを理解して頂きたい」と述べた。

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