白魔吹き荒れる 稚内市開運で30㍍以上の暴風
発達した低気圧の影響で12日の稚内は、雪を伴った30㍍以上の暴風が吹き大荒れの天候となった。猛吹雪で前が見えないホワイトアウト状態となり、市内路線のバスが運休するなど交通機関に乱れが生じた。
暴風雪、波浪警報が発表されている稚内は12日午前中、開運で30・6㍍、宗谷岬30・4㍍の最大瞬間風速を観測した。まとまった雪が降り、暴風により市内の至る所で吹き溜まりが生じ立ち往生する車が相次いだ。
稚内地方気象台によると、暴風雪のピークは12日夜までで、その後は風雪注意報に切り替わるが、14日まで風雪強く荒れた天候が続き、13日まで多い所で50㌢の雪が降る見通し。気象台は引き続き猛吹雪や吹き溜まりによる交通障害などに警戒を呼びかけている。
この暴風雪で12日の利礼航路は全便欠航となり、空の便も全便欠航。JR宗谷線は全区間運休するなど交通機関に影響が出た。
「危険なため12日除雪見合せる」
暴風雪で市内の住宅街では吹き溜まりが生じ、市民が朝から除雪作業に追われた。
早朝にかけて気温がプラス0・2度まで上がったことにより、湿って重たい雪が場所によって30〜50㌢以上積もった。
宝来地区の人「雪が重くて除雪するのが大変。すごい風と雪で今年一番の大荒れ天気で嫌になる」と除雪作業をしていた。
悪天候により除雪作業は危険を伴うため市(土木課)は、12日の住宅街の除雪は見合せ、13日に天候状況を見ながら一斉除雪を行うとしている。
「公共施設46カ所臨時休業」
総合体育館、市立図書館、こまどりスキー場、旧瀬戸邸など市内46カ所の公共施設は12日、暴風雪のため臨時休業した。
保育所・学童も休館。
港・白樺保育所と市内の学童保育所は12日、悪天候のため休館した。
「18施設休館」
暴風雪により道路状況が悪いため、温泉童夢、総合体育館、こまどりスキー場など18施設は終日休館した。
「朝から暴風雪の後始末 再びあすも荒天予想」
発達した低気圧による風と雪のピークは過ぎ、稚内に出されていた暴風雪警報は12日夜に注意報に切り替わった。暴風雪から一夜明けた13日、市街地で一斉除雪が行われ、住民が吹き溜まりの後始末に追われた。
12日は10〜20㌢の降雪量だったが、警報が解除されるまで30㍍以上の暴風が吹いたことで、住宅街では道を塞ぎ車の出入りが出来ないほどの吹き溜まりが生じ、開運では積雪が一時、平年より2倍以上となる105㌢に達した。
13日は未明から除雪業者が幹線道路や住宅街の枝道に積もった雪を重機で取り除き、道幅を確保していた。
吹き溜まりで腰まで積もっていた雪を除雪していた恵比須地区の住民は「昨日は吹雪で前が見えなくて怖かった」と話していた。
吹雪や高波、除雪が追いつかないなどの影響で交通機関に乱れがあり、飛行機やフェリーは全便欠航し、路線バスは全線始発から運休、JR宗谷線は特急、普通列車は運休や部分運休などしている。
市(総務防災課)によると、暴風雪による人的被害は無いが、屋根が飛びそうなど報告が5件あり、消防が出動してロープなどで応急措置をした。
発達した低気圧の影響で稚内は14日未明にかけて再び荒れた天候が予想され、稚内地方気象台は吹雪や吹き溜まりなどによる交通障害に警戒を呼びかけている。
気象台によると、大荒れとなった12日の天候と比べ風、雪ともに強くないが、発達し低気圧が千島近海で停滞するため西の風が雪を伴い強く吹き、陸上、海上ともに25〜30㍍の最大瞬間風速が予想され、14日朝まで30㌢前後降る見込み。
暴風雪警報は13日夜遅くまでに発表するとしている。
「国・道道とも通行止め続く」
暴風雪の影響により一部の国道と道道では未だ通行止めが続いている。
国道238号浜鬼志別〜声問村メクマ、国道40号幌富バイパス幌延IC〜豊富サロベツIC区間は、大雪のため12日から通行止めされている。
国道40号豊富〜稚内市朝日の区間は13日午前8時半に通行止めが解除された。
道道稚内天塩線(浜勇知〜天塩町)、稚内幌延線(声問〜豊富猿払線交点)、稚内豊富線(増幌~沼川)、稚内猿払線(増幌〜東浦)通行止めが続いている。
道道抜海港線は13日午前7時に規制解除された。
「雪捨て場は白い大陸に」
市指定の雪捨て場は市内各所から集められた雪でトラックが忙しく行き交い白い大陸と化している。
12日の暴風雪の後始末でノシャップ地区の雪捨て場は13日、トラックで次々と雪が運ばれ、例年より巨大な雪山ができ重機音が鳴り響いていた。