時の話題 「インチキなんだろ」
太宰治の「斜陽」の中に「生きているんだからインチキをやっているに違いない」という一節がある。これは正義感あふれる30代までの人間観・人生観なのだろうが、当たらずと言えど遠からずである。
筆者の人生を顧みてもインチキとまで言わずとも結構いい加減と言うのか出鱈目と言ってもいい言動、すなわち生き方があり、今思うと顔から汗が吹き出てしまう。
このインチキが政界でも財界でもトップがしているとしたら世の中どうなるのか。
閉会したばかりの国会ではコロナ禍対策の補正予算上程だけでなく、東京地検が捜査に乗り出した安倍前総理時代の桜を見る会前夜の都内一流ホテルの宴会費を巡り安倍さんの後援会が不足分を補てんしたのにも拘らず収支報告書に記載されておらず違反しているのではないのか―という疑惑が生まれ、安倍さんを国会に参考人招致し糾弾すべきとの野党と、安倍さんを擁護する与党との綱引きもあった。
地検捜査によると、安倍さんの公設第一秘書は補てんを認めているとの事だが、総理在任中の安倍さんの、この問題に関する「知らぬ存ぜぬ」発言は総理として国民を欺いていたことになるとの野党主張は正論であろう。
その出鱈目な安倍さんを引き継いだ菅総理は長く安倍政権のナンバー2である官房長官という立場にあり木で鼻をくくったよう安倍前総理に追随する返答を繰り返してきた。
太宰の断じる通り正にインチキであり、今更の事だが政治家不信を増幅させた安倍、菅両氏の罪は重い。