時の話題 「読書週間」
秋の新聞週間に続き今週から読書週間が始まった。中学生の頃から読書好きで同級生の森俊二君と「1週間で何冊読んだ?」と競い合いむさぼり読んでいた頃を思い出す。
今はすっかりテレビ爺さんになった筆者だが、本は読みながら想像力を働かせ自分独自の光景を頭に描き出し、例えば夏目漱石の「彼岸過迄」での主人公須永の言動を、40年以上経った今でも想い起こすことがある。
子供の頃から漫画はほとんど読まず偶に買った「少年マガジン」を本立てに参考書と共に並べておいたほどで希少な存在だったのが漫画であった。
今は時事ものや政治に関するものを読書するが、20代後半まで純文学を中心に読み、先に触れたよう夏目漱石の作品に心酔した。
人は考える葦であり(パスカルの言葉)、考え悩むことで自らの真の姿を知るようになるという心持ちを基にした人生修養の場が読書であった。
今の世の中はツイッターだかラインとかSNSにあふれ、テレビもユーチューブ機能があり、階上に居る孫らが我が家で見ている。
これらは他人から与えられたものであり、想像力をかき立て自らを成長させるには完遂度は低く、自分自身が選び一字一句読んでいく読書こそが一端の大人なるための段階として欠かせないのでないかと思っている。
趣味・嗜好は人それぞれあり個人の尊厳上否定するものではないが、受け身でなく能動的な生き方こそピンチになった時の助けになる。文字に想像力を働かせ人生の糧になるよう努めるのが人たるゆえんでないのかな。