商工会議所合同部会開く 9月以降回復傾向 高齢化、人手不足など課題
稚内商工会議所は今月14日と23日に開いた5部会合同の懇談会で会員から出た稚内経済での問題点や課題などまとめた。
主な意見など次の通り。
≪商業部会≫▽電子クーポンを使う客が増加しており従業員がレジ対応に苦慮▽夏場に新北海道スタイル遵守したイベントを開催したが、お客には大変喜んでもらった。今後はウイズコロナだろう▽GSは9月のシルバーウィークで回復したがイカ釣り漁船入港少なく売上は減少も風車送電網工事の現場に機械向けの燃料を配送しており作業員の食事など含め経済効果が大きい▽顧客にはマスク着用をお願いしている。毎年5人程度の従業員がインフルエンザに罹患しているので相談する場が欲しい▽ワーケーションとしてホテルにワーキングスペースを設置し、空き家をリノベーション(修復)して活用してはどうか。
≪建設工業≫▽コロナの影響は小さいが依然として高齢化と人手不足は深刻だ。除雪作業はギリギリの人数で行っており、コロナに感染した場合の対策検討しなければ▽コロナによって中国からの住宅資材の供給は遅れているが、今年は住宅着工少なく影響は小さかった▽来年度予算の減額が不安だ。人材確保に苦戦しており一企業では限定的なので進学で稚内を離れた若者へのU・Iターンの企業説明会を市と会議所と連携し開いてほしい。
≪観光サービス≫▽フェリーは9月に入り徐々にだが戻りつつある▽東京からのGoToトラベルに期待したいが、10月後半からANA羽田便がなくなるので影響を懸念している▽タクシー業界は従業員の高齢化と人手不足に苦慮しており、コロナ禍で運転手には労働時間を短縮し雇用助成金で対応しているので期限が来る12月以降の延長を望む▽9月に入り小中学校の修学旅行が始まり回復基調にある。羽田便が動くと人も動き経済も動くので再開をお願いしたい▽プレミア券での利用者が増え感謝しており、飲食店の利用は戻りつつあるが、若い人の人出はあるものの、年配の人出が少ない。
≪農水製造業≫▽タラ、ホッケは好漁だったが価格は下がっている。加工業者の稼働は良好と聞いている▽TAC(漁獲可能量)にホッケやタラを追加する動きがあり懸念している。ホッケは10年ほど前から自主管理している▽水産加工品はコロナによってデパートや問屋が在庫を懸念し、いつもの7割程度に買い控えているので注文は少なくなっている▽農業は天候に恵まれ牧草の生育も良く乳量も順調だが牛の個体価格は下落▽運輸業は漁良く稼働は良好だが、人手不足で労働条件を変更するなどして雇用に努めている。
≪理財諸業≫▽持続化給付金の申請でネット環境がない年配の事業者は苦慮している。消費税の軽減税率でも苦労しており、この先インボイス制度が導入されるので早め対応が大切▽北星大学はコロナで6週間休校としオンラインで講義したが、6月から通常授業を再開した。全国的には18%しか通常授業を再開していないという▽コロナによる緊急融資も落ち着いてきた。金融機関として人材が余っている業種から不足業種への紹介をしているところ。今後の決算でコロナの影響が数字として出てくる。人材マッチングやBCP(事業継続)マニュアル作りの会議はオンラインで開いている。