時の話題 「抜海駅存廃問題」

 あと4年で100年を迎えようとしているJR抜海駅(無人駅)の存続か廃止かの議論が市と住民とで行われているが、平行線を辿っている。
 JR北海道の来年3月末での宗谷線無人駅29駅の存廃構想ではこれまで27駅の廃止が決まった他方、恩根内駅(美深町内)の存続が決まり残るは抜海駅となったが、廃止する意向の稚内市と断固存続の住民側との溝は埋まらず、抜海町内会長の森寛泰さん(58)はクラウド・ファンディング(CF一般寄付)を募ってでも存続させていこうとしている。
 昭和35年には749人いた抜海地区も今では38人(19世帯)にまで減り、13年前には抜海小中が閉校し、今いる小中学生3人は南小と南中にスクールバスで登校している。JRの利用者は通院と高校生の2人だけである。
 大赤字のJR北、そして稚内市とも厄介な御荷物をお払い箱にしたいのだろうが、実際抜海に住んでいる人達にとって駅の廃止は「抜海」という地域が無くなるに等しく、市に対し抵抗しているという現状なのか。
 先日、森会長にお会いし話を聴く中、駅を利用する乗降客は結構いるそうで、町内会館隣接の「民宿ばっかす」には年間で一時、600人もの宿泊客があったという。
 抜海駅は下勇知、上勇知の利便性を図るため抜海の市街地から離れた所にあるが、秘境駅として訪れる鉄道ファンがおり、森会長に会ったあと寄った駅には名古屋ナンバーの車が停車していた。
 森会長は駅廃止について理不尽だと言う。駅は住民にとって抜海そのものだからだ。

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