時の話題 「涙脆さは別にし」

 最近、年のせいなのかテレビや映画など映像だけでなく本(主に小説だが)でも感涙する事が多くなった。
 映像は感動的なシーンと至って単純なのだが、本は文字を読み感情が同化すると自然と涙ぐんでしまう。
 顔も身体も相当弛んできたが、と同時に涙腺の弛みもかなりのものになっている。
 息子家族が2階におり2世帯住宅に住んでいるのだが、夫婦とも健康のためか、息子夫婦も孫達も何か用事がなければ下りてこず、普段は妻と始終顔を合わせたわいない話をし夕飯も二人ともこれと言って嫌いな物も無いので精進料理に近い物を食べている。
 話の中味はというとテレビの中での事が多く、最近は新型コロナと安倍さんのことになる。それだけニュースで放送されているということであり、とりわけ妻の安倍さんへの憤りは激しい。
 過日の共同通信社の調査で安倍内閣の支持率が41%まで落ちたとのことだが、ウソの上塗りをする姿勢にほとほと呆れてしまったというのが大方の国民の思いなのであろう。
 付き合いさせられる東大出の官僚も堪ったものではなく、推察するに「お坊っちゃんのウソに付き合っていられない」という本音が見え隠れする。
 8年前の12月、安倍さんが総理に返り咲いたあと与党自民党内にはこれといった権力闘争が無い。元自民党幹事長の石破茂氏の批判が目立つ程度だ。闘争というのはライバルを引きずり下ろすという事であり、他の派閥領袖にも意気込みが感じられない。
 権力は禅譲でなく自ら奪いに行くものだ。

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