時の話題 「意中の人とは」

 自民党の総裁選をつぶさに見てきて痛烈に感じたのは民意によって状況が変わるということだ。
 下馬評では小泉進次郎氏が断然優位に立っていたが5人による1回目の投票で党員・党友票119票と高市早苗氏(2位は84票の小泉氏)がトップに立つと同党顧問で唯一、派閥を維持する麻生太郎氏が「決選投票では党員票最多の高市氏に投票するよう」派閥議員に声を掛け高市氏を勝利に導いたのは同氏ではあるが突き動かしたのは党員であった。
 1955年(昭和30年)の結党以来、2度の下野はあったものの仇敵の当時の社会党を抱き込み村山富市社会党委員長を首班にし政権を奪還した離れ技をし復権した自民党。しかし、そのしぶとさも昨年末の衆院・参院の敗北により定員の半数を割り込み少数与党となるも同党初の女性総裁誕生により与党を維持するのが確実な状況になった。
 4日の小欄での「意中の人は」は高市氏であった。小泉氏では現状を打破するのに無理があり林芳正氏(官房長官)では一時的に安定するも総理になるには物足りない。それゆえの意中の人・高市氏だが功を焦るのが恐い。それにしても米国でも突き破れなかった〝ガラスの天井〟をいとも(と言っても3回目の総裁選挑戦だが)容易に打ち破ったことに称賛を送らねばなるまい。
 党内など人事で麻生色が明らさまになっていることから危うさはあるが彼女ならやっていけるだろう。
 最後に、意中の人とは異性に対しての言葉で、なるべくしてなったということだ。

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