時の話題 「休みの狭間で」

 きょうは仕事であす休み。公務員を含めた一般の職業人にはかったるいものがある。でも休みなく働いている人のことを思うと、そんな甘ったるいことも言っていられない。
 正月でもGWでもお盆でさえ働いている人がいる。食品スーパーやデパート、サービス業などに従事する人にとって仕事とはいえやるせない思いをしていることだろう。
 職業によって立場が違うのだから当然で致し方ないと考えるのは暦どおり休める人のある意味、傲りなのであるまいか。皆休む時には休みたいのが人情であろう。
 戦後の日本は経済復興を優先し他の事を犠牲にしてまでも経済大国への道を突っ走ってきた。その究極の姿がバブル景気であり、弾けた途端に経済全体がしぼんでしまい20年以上続いた。
 「縮小々々」の大合唱の中、大企業も中小企業も終身雇用制から非正規の社員を多く採用するように転換し非正規雇用者は全雇用者の4割以上も占めるようになった。
 時給数百円で得る月収は一カ月休みなく働いても20万円に届くか届かないかであった。その後、時給は千円台にまで上がったとはいえ正社員との差は拡大するばかりである。
 休める者と休めない者との格差は広がるばかりで、漸く最近になって是正しようという働きが出てきた。
 この状況下での自民党総裁選。小泉進次郎氏や高市早苗氏が一歩リードしているかに伝えられているが、総裁になった政治家は硬直化した日本を変えられるのか。経済一辺倒の歪みを是正するのは容易であるまい。