時の話題 「市政の安定を」
昨18日の市議会の中で栃木潤子議員の冬季観光の稚内公園活用についての質問に工藤市長が「公園の冬季利用は想定しておらず安全面で問題がある」としたのは至極妥当な答弁だった。
栃木議員が意図するのは冬季の公園道路車両規制を解き、通年観光の試金石にすればいいのでは―と推察されるが、あの急坂の冬季走行は危険があり無理筋であろう。
しかし市長は通年観光の課題の一つとして様々な意見を伺わせて戴きたいと、これまでの14年間と言うより市職員としての37年間含め51年間、市政について暗中模索してきた結論として判断をした。
稚内市料飲店組合長をしている栃木氏の更なる仕掛けで稚内観光を活性化したいとの意気込みも分からないではない。
市長就任し14年目の工藤氏の手堅さは誰もが認める他方、進取の精神に欠けるとの評価もある。コロナ禍という惨禍はあったものの各業界や市民の声を聞きながら堅実な運営に努めてきたのは官吏としての経験もあり人を分け隔てることのない性格によるところが大きい。
北海道大学卒ということから他の職員から妬まれたこともあったそうだが、「学歴でなく真っ向勝負しよう」と返したというのだから真面目な人柄を窺うことができる。
2年後の市長選時には77歳になる。心身とも元気ならば「再選も」との期待はあるものの家族との人生を考えれば呼び止めるのは厳しい。となればの話だが、出馬が予想される人達は工藤氏の愚直さを継承して貰いたいものだ。


