手紙が繋いだ再会劇 遺族会の山口さんと稚内の金田一さん

 大韓航空機事件遺族会の山口真史さんと市内在住の金田一京子さんが5日、数十年ぶりに再会した昨年以来、一年ぶりに再び会い喜びや近況など報告していた。
 タクシー運転手だった金田一さんは平成9年、高校入学を控えた山口さんと姉、母の真貴子さん(故人)を稚内空港から航空機の墜落現場が見える宗谷岬まで送迎したことを機に、真貴子さんと数年間ではあるが手紙でやり取りをしていた。
 山口さんが、真貴子さんの遺品整理をした際に、金田一さんから送られた手紙を見付け稚内にいる知人を通して昨年、27年ぶりに再会を果たした。
 金田一さんは、タクシー送迎した当時、真貴子さんに「花とロウソクを買って欲しい」と言われ、遺族であることに気付き「宗谷岬の最北端の地の碑付近に花を手向けていたことが印象に残っている」とし、山口さんは「家族内では事件の話が出てくることがなかった。母は僕が義務教育を終えた区切りとして宗谷岬に行ったのだと思います」などと振り返った。
 金田一さんは「式典で後ろ姿を見ていておぼろげながらあの時の子かなと思っていた。再会できたことを嬉しく思うし、これからは稚内に母がいるとの思いで来てもらえたら」と話し、山口さんは「ここから2人の関係性が毎年深まると思っている。また来年ゆっくりと話すことが出来れば」などと語り合っていた。