時の話題 「健気な中学生」
稚内の小中学校の夏休みは明日までで来週から2学期が始まる。暑い日が続いたので海や山などに家族で出掛け自然を満喫した子どもさんもいたことであろう。他方、豊かになったかのような世の中で食事さえ満足にできない子どもがいるのも事実。この不公平な在り様は古今変わらずといえど「貧にして楽しむ」という心掛けがあれば将来子どもさんが大成する事もある。
筆者が子どもだった昭和40年代の頃は貧富の差が歴然としてありどちらかといえば貧しい家だった筆者は狭いアパート暮らしから脱け出すかのように当時隆盛を誇った水産関係の経営者を親に持つ同級生の家によく遊びに行った。ダーツなど見慣れない遊び道具があり広い家で隠れんぼをして遊んだのを覚えている。ただ食べることではひもじい思いはしなかった。
現代の恐さは貧富が一見ないように感じることだ。メーカー品を着て一般的な装いをしているが、実のところ困窮家庭が少なくない実状にある。生活保護など公的援助があるのに申請時の煩雑さなどあり受給しない家庭もあるやに伝え聞く。
困窮する家庭を助けるため夏休み中、アルバイトをし続けた中学生がいる。健気な子供である。片やスマホなどのゲームに興じている子どもがいる。現段階での幸福度は後者だろうが、長い人生において有益なのは前者になろうか。
人生には逆境の日々が必ずある。耐えるのはへこたれず諦めない気概である。今が良いからと油断してはいけない。努力していけばトンネルから脱ける日もあろう。負けるな。


