危機感持って適切な行動を 土砂災害を考える防災講演会

 道、公益社団法人砂防学会北海道支部主催の「土砂災害を考える防災講演会in稚内〜土砂災害から自分の身を守るために」が8日文化センターで開かれ参加した120人が防災について学んだ。
 道では、平成27年から道内各地で住民を対象に防災や土砂災害に関する知識の普及と地域防災力の向上を目的に講演会を開いている。
 参加者を前に、宗谷総合振興局の樺澤副局長は「各地で記録的豪雨、地震が頻発しており、胆振東部地震では多くの生命や財産が失われました。他人事ではなく自らの事と捉え考える機会にして欲しい」などと挨拶した。
 北海道大学大学院農学研究員の桂真也助教が「土砂災害に関する基礎知識と対策の実態」と題した講話では、道内では平成26年〜令和5年にかけ、その前の10年間と比較し土砂災害の発生件数が増加傾向にあり、豪雨の影響で残存する周氷河斜面の崩壊など増えていると話した中で「豪雨による土砂災害は日頃からハザードマップの確認や豪雨時の情報で、少なくとも人命だけは守ることが可能。住民一人ひとりが危機感を持って正しく理解し、適切な行動を取れるよう備えて欲しい」などと訴えていた。
 このあと、稚内地方気象台の今井観測予報管理官、養護老人ホーム富士見園で防災士の資格を持つ山内正人施設長らが講話した。