好天恵まれ初採取 コンブ漁 実薄く今後の漁に期待

 8日、稚内前浜のコンブ漁が解禁され、青空の下、採取後に浜で天日干しする夏の風物詩が広がった。
 漁最初から旗無しの自由操業となり、好天下の8日、前浜に出漁した漁師は午前5時から漁を開始。宝来や恵比須、ノシャップなどの漁場には磯船が集まり、漁師たちはねじり棒でコンブを採取し、岸に水揚げしたばかりのコンブは家族などによって天日干しされた。
 北防波堤ドーム裏手の漁場で漁をしていた漁師は「量はあると思うが、実入りはあまり良くない。7月後半から実が太くなると思うので、これからに期待したい」と話し、別のベテラン漁師は「量はあるものの、コンブ自体の質は良いとはいえない。本来だと8月に動きが活発化するツブの食害が、既に発生している場所もあり温暖化の影響でないか」と今後のコンブ漁を心配していた。
 コンブ干し作業をしていた女性は「夏になればコンブ漁を毎年手伝っているが、今年は本当に実が薄いのが目立ちます。コンブ干しをすると稚内に漸く夏が来たことを実感する」と話していた。
 コンブ干し作業を見ていた千葉からの旅行者は「ホテルの人に今日からコンブ漁があると聞き、見にやって来ました。散歩していて磯の香りが漂い、海の街らしい」と話していた。