「業務で稚内市に貢献」　南極観測隊 ６７次隊員の鎌田隆雅さん

　第６７次南極地域観測隊に選ばれた市人事厚生課の鎌田隆雅主任（34）が２７日夕方、市役所で会見し、樺太犬の犬ぞりや南極祭りなどで稚内と南極は長く縁があることを踏まえ「隊員として自身が頑張ることも大事ですが、このあとにも繋がる職務を全うし稚内市に貢献したい」などと抱負を語った。
　稚内市として46次（近江幸秀氏）、第52次（市川正和氏＝人事厚生課長＝）に継ぐ、１５年ぶり３人目の南極観測越冬隊員に選ばれた鎌田さんは、市正庁で職員６０人余りを前に、昨年７月から１年間の任期で派遣されていた南極・北極を研究する機関「国立極地研究所」（東京）で第66次のサポート、６７次の選考業務などに関わった事などを報告した。
　工藤市長も同席した会見で、鎌田さんは社会教育課に配属された時に上司で稚内から２人目の南極観測隊員として派遣された市川課長から観測隊の話しを聞いて南極に興味を持った。隊員に選ばたことに「これから隊員として準備していく時に実感が湧いてくると思いますが、今まで通り自分らしく頑張っていきたい」と語り、南極での業務に関し「南極での生活を皆さんに発信し、南極への憧れを持つ人を増やしたい。市職員としても稚内から行けるという事など一役担えるよう頑張っていきたい」と述べた。
　市職員として近江氏から市川課長、そして鎌田さんが選ばれたことに、工藤市長は「バトンがこの街をベースにしっかり繋ぐことが出来たことにホッとしています。これが稚内の伝統であり更に育っていってくれれば」と喜び、期待を寄せた。
　２９日に再び東京に戻り、７月１日に隊員辞令を受ける鎌田さんは第67次隊として今年12月上旬に空路でオーストラリアへ向かい、フリーマントル港で南極観測船「しらせ」に乗船。来年1月から南極の昭和基地で約1年間業務に当たる。