靴磨きし世界回る 佐原さん 稚内入りする

 世界中を靴磨きしながら旅している靴磨きトラベラーの佐原総将さん(31)が稚内入りした。2020年から紛争地域や貧困地域など38カ国を回った経験から「世界を足元から輝かせたい。靴磨きで人を笑顔にしたい」など旅する理由を語った。
 大阪市出身の佐原さんは、小中高に野球一筋の日々を過ごしていたが、岐阜の大学で4年間、英語を勉強した経験から20代前半に世界中を旅したいと決意。各国を回りながら旅の資金を稼ぐ手段として、靴磨きしながら旅をすることにし昨年12月までアジア、ヨーロッパ、アフリカ大陸などを回り、現地の人と触れ合いながら靴磨きをしてきた。
 アフリカ大陸を回っていた時には、治安が悪い地域でスパイ容疑をかけられ半日、拘束された経験があり「その時は死ぬかと思った」と振り返り、インドで大臣クラスの役人や大富豪の靴磨きも依頼され「100足近い靴を三日三晩やりました」と笑顔で話した。
 海外では1815足の靴磨きを経験し「貧しい国やミサイルが飛ぶ紛争地域での仕事もやりましたが、誰もが靴磨きすると笑顔になる。人の繋がりの優しさ、触れ合いがこの旅の一番の財産です」と語った。
 今年は自転車で靴磨きしながら日本一周旅を挑戦中で、6月10日に自宅がある大阪を出発。フェリーで道内入りし、19日午前4時半に苫前を発ち午後6時半過ぎに宿泊先のライダーハウスみどり湯に到着した。
 海外を旅していない時には日本で旅の経験談を話す講演活動もしているという佐原さんは本紙の取材後、宗谷岬で靴磨きをするため自転車で向かった。
 来年は南米、34歳までに北米を制覇し旅は完結する予定。自身のユーチューブ「Sosho land」で旅の動画を公開している。