時の話題 「地元優先に?」

 71億円もの巨費を投じた稚内市新庁舎がほぼ完成し躯体が現わになった。現庁舎より小さく4階建ての庁舎で目に付くのは窓ガラスが大きく彩光がふんだんになっていることで現代風な建物になった。23年6月から着工したので2年の工期で耐震力強固な頑丈な建物になったことで今後50年間は維持できる。
 新庁舎建設を除くと今年ほど土木建設工事の少ない年は稀なのではないのか。一昨年から施工されてきた中央地区道道(バス通り)や国道の電柱の地下埋設化を進める工事を終え筆者が身近に槌音を聞かなくなったことはあろうが、それにしても工事量が少ない。
 いつもの年なら雪融けと共に本格化する工事だが、国、道、市とも極端に減っている印象を受けるのは大型工事が皆無なこともあろう。市庁舎が終わった今、ひっそり感としている。
 新庁舎建設では地元業者の参画が少な過ぎるとの声を聞く。4階建てなのでクレーン車を使う作業が結構あるのだが、そのクレーン業者が旭川などから出向いて来ており地元業者は関与することなく弾かれてしまったとの嘆き節も聞き及ぶ。
 稚内商工会議所は年度初めの国や道、稚内市への要望活動で「地元業者への優先発注」を申し添えているにも拘らずである。
 大型建造物なのだから札幌などの大手業者が請け負うのは致し方ないにしても下請け・孫請けでの地元業者の参入が少な過ぎよう。市は己が建物なのだから地元業者を使うよう請負元に指導するのが筋だったのであるまいか。地元に利なさぬ工事は御免である。