時の話題 「毒まんじゅう」
大相撲五月場所はきょう13日目。昨日まで12連勝の大関大の国の綱取りはほぼ間違いない状況になっている。
昨日は前頭七枚目の伯桜鵬の一気の攻めを叩き込みで危なげなく勝ったが解説する琴風さんがいつも言っているのが「はたき込みは毒まんじゅうだ」
力士の大型化によりはたき込みで勝負がつくことが多くなり琴風さんは簡単に勝とうとしている力士に警鐘を鳴らし「毒まんじゅう」と表現している。
相撲には流れがありはたき込みすれば勝利する可能性が高くなる局面があるが出来うる限り正攻法で攻めるのが相撲道であり安易にするものでないと諭している。
甘いまんじゅうは美味だが毒が入っていることがある。はたき込んで勝つと窮地に陥った時などに二匹目のドジョウを狙い多用するようになり戒めているもので、この言葉は角界だけでなく社会全体にも通じる。
ロマンス詐欺では甘い言葉をかけられ他の特殊詐欺でも「儲かりますよ」と誘われ、数百万、数千万を騙されてしまう。
角界ではテッポウや四股など地道な稽古をする姿勢が望まれ、はたくなどは卑怯な取り口と批判されたものだが、昨今では楽に白星を掴みたいとばかりに十八番技かのように多用する力士が増えている。相撲の魅力は強くぶつかり合うことなので後ろめたさがある力士は反省しなければならない。
史上最速(初土俵から十三場所目)の横綱になることが確実な大の国関への期待は高まるばかりだが毒まんじゅうは食べないよう願っている。


