時の話題 「北防波堤ドーム①」

 クロスワードに応募してきた50代の女性から北防波堤ドームでのウォーキングを再開したとの短信を戴いた。 
 「10年ほど前と違い犬のフンもなく、きれいになって気持ちよく歩けます、皆さんのマナーが良くなったと嬉しくなりました。ご夫婦で歩く方やランニングしている方、犬の散歩をしている方、観光で来られている方。改めて稚内にとって良い所だと誇らしく思います」
 このお手紙を拝見しドームが稚内市民にとって掛け替えのない場所となっていることに先人の労苦は勿論、稚内開建が施設の延命を考え改良・補強工事を施工していることに敬意を表する。
 全長427㍍、高さ13・6㍍。柱の数は70本あり半アーチ型の古代ローマ建築を彷彿させる回廊は、長きに亘り波浪などから人命を守り続け2001年10月に北海道遺産、03年には土木遺産に指定されている。
 ドーム建設計画は日露戦争によって南樺太が領土になったことから練られ、1931年着工し36年に完成した。稚内築港事務所長の平尾俊雄さんと部下の土谷実さんが貢献したものであった。
 当時、稚内と大泊(コルサコフ)を結ぶ稚泊航路の運航が始まった頃、稚内停車場(現南稚内駅)が日本の終着駅で、乗客は船着場までの1・6㌔を徒歩で歩き連絡船に乗り込んでいた。ドーム竣工を受けドーム内に稚内桟橋駅ができ急行列車まで運行するようになり稚泊航路は全盛期を迎える。終戦に伴い稚泊航路が廃止されたのは皆さん承知のとおりである。つづく