時の話題 「運輸業の低調」

 稚内信金の中小企業景況調査によって運輸業の低調が際立ったものの、この冬の大雪により改善しているのでは―とも思った。
 運輸業は一般旅客、貨物ともかなり悪化しており、2024年問題の人手不足に加え燃油などコスト増もあり商圏人口の減少も相俟って塗炭の苦しみを舐めているのが素人でも想像される。
 旅客輸送というのは都市間含むバス、離島フェリーで、JRも含まれるだろうが、稚内信金としては除外していると見られる。貨物輸送というのは水産・物販関連が主体で、JR同様、全道に輸送網がある大手運輸会社は調査対象外になる。
 いわば地元でトラックを所有し営業している会社を指すのだが、大雪に見舞われた今季除排雪された雪の搬送でトラックの行き来が多く、稼働時間などで弾き出される輸送料は相当額に及びそうだ。
 経済パイが縮小し厳しい経営状況にある中助け舟というより救世主的な雪さま々々と言ったところで、会社のみならずドライバーにも恩恵をこうむっているだろうから大雪だからといって悪い事ばかりでないこと窺い知れよう。
 風が吹けば桶屋が儲かる式の波及効果は昔から言われている事とはいえ世の中、何が幸せをもたらすかは分からない。人間万事塞翁が馬である。
 冬が終わり春が来れば、大して強靭でない足腰にヘタリが見え様々な問題が表面化する恐れがある。水産業が強いのでこれまでさほど問題にならなかった事もヘタリ方によっては大問題という事も。老舗と起業の狭間のハレーションの軍配は。

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