10年費やした資料完成 中澤和一さん 経験など基に作成

 稚内海友会の中澤和一会長(77)が、底引き網船員時代に水揚げした魚種一覧資料を作成した。日々少しずつ作り約10年をかけて完成した。
 宮城県気仙沼市出身の中澤さんは、20代前半から稚内で底引き船員として働き、船員歴33年間の経験や大切に保管していた漁業日誌を元に平成27年から制作に取り掛かり完成した資料は約10ページに亘り稚内沖や200海里規制前のサハリン沖で水揚げされたカレイやホッケサメ、キンキなど約50種の魚種、魚の生息する水深、1日の最大水揚げ量、食べ方など細かく紹介している。
 カマボコの材料として水揚げされたアブラザメ、スケソウダラ、ホッケなどは1日最大60㌧近く水揚げされた日もあったことを懐かく話す中澤さんは資料を手に「この周辺の海域は本当に様々な魚が捕れた。今後は資料を活用し講演などを通し若い人達に漁業の歴史を伝えていくのが私の役目です」と話している。