威勢良く三本締め 機船漁協と稚内漁協で初競り
稚内市地方卸売市場で6日朝、初競りが行われ、鮮魚の上場はなかったが冷凍エビなどの買受人たちの威勢よい掛け声が響き渡った。
午前7時からの初競りを前に工藤市長は「昨年前半は順調だったが後半は天候に恵まれず数量、金額とも前年を下回らざるを得なかった。船員の皆さんの日頃の努力の賜物だと感謝し、今年は天候に恵まれ少しでも操業できることを祈り、買受人の方には稚内の魚に付加価値を高め全国に発信してもらいたい」などとの挨拶に続き、黒川組合長は、水揚げ数量が1万2000㌧金額18億3000万円と前年を上回ったことに触れ「自然相手で思うように運ばないことが多々ありますが、今年は天候恵まれ出漁回数が一日でも増える年になることを願うばかり。老朽化が進む底曳船が喫緊の課題だが現在の体制を守り、衛生面など適切な管理を心がけて参りたい」などと述べた。
このあと、中陳地方卸売市場買受人組合長が「昨年はシケで出漁が出来ない日が多く、円安によって燃油など高騰し厳しい一年でした。ピンチをチャンスに切り替えてこの厳しい局面を乗り越えていきましょう」などと挨拶。南市場部長の音頭で三本締めが行われ、今年の豊漁と安全操業を祈願した。
底曳船は午前0時に出漁したものの、シケで上場時間に間に合わなかった。
稚内漁協の初競りは6日朝、市場で行われカレイなど鮮魚が上場され、買受人らの威勢よい掛け声が場内に響き渡った。
競りに先立ち岡田組合長が関係者60人余りを前に、昨年の取扱実績について「秋サケの不漁と全国的な漁獲不振が続くイカ漁でしたが、毛ガニやノナなどは価格に支えられたものの、市場全体の数量は前年より少ない768㌧となり、金額は19億2000万円の実績となりました」と振り返った上で、今年一年について「今後も漁業や組合運営を取り巻く環境は、まだまだ厳しい状況が続くものと思われますが、今まで以上に安心安全な水産物の安定供給に役職員一丸となって頑張って参りたい」などと挨拶した。
続き柳浦稚内漁協市場買受人組合長が「海水温上昇などが厳しい自然環境ですが、商売に繫がるよう水揚げが多くなるよう願っています。皆さんのご健勝と発展を祈念します」などと述べ来賓の工藤市長が「漁業が基幹産業であり、互いに力を合わせてマチの経済を守っていきたい」、吉田道議は「今年は巳年。ヘビが脱皮するよう一つでも新しい事にチャレンジするチャンスかもしれない年となり、今年一年間は商売が順調に回ることを願
っています」などと挨拶した。山岸専務理事の音頭で三本締めが行われたあと真ガレイなど100箱以上が競りにかけられた。
買受人の男性は「初競りで100箱以上並ぶのは滅多にないこと。良いスタートだ」と話していた。