時の話題 「幸せな街作り」

 今年最後の小欄である。大上段に構える気は無く、と言えど最後なので「締めたい」と筆を執る。
 「今年はいい年でしたか」と読者の皆さんに尋ねたい。物価高が続き苦しい生活でした」とほとんどの方が答えるのでないか。65歳以上の高齢者が全人口3万人の4割近く占める中にあって年金だけでは物価高に対処できず爪に火を灯す生活を強いられたのではないのか。老後も豊かな暮らしを標榜する政府の管轄下にある自治体にとってさぞや苦悩が大きい一年になったのではと推察する。
 人口が減り経済が疲弊しているとはいえ稚内での暮らしは身の丈以上の高望みをしなければ程々平均的な生活できたのでは―と思いたいが、実状はどうなのか。それほど楽観視できる状況ではないようだ。
 沖底漁は勿論、沿岸のホタテ漁は昨年より落ち込むもそれなりの実績を残したといえコンブ、ミズタコ漁は壊滅的と言っていいほど振るわず、公共事業もダメだった。
 観光だけは気を吐いたが、元々裾野が狭く景気全体への波及効果が希薄なのだから語るほどではない。
 風力発電施設も一時の加工場含めた漁業の比でなく雇用力は小さい。ただ市に固定資産税納付が増えるだけでは経済の一翼を担うとは言えない。
 マチの衰退を止める特効薬はなく小さいなりに幸せな街づくりに腐心せねばならない。地方から定住した人を含め「稚内は住み良い街だね」と言われるマチづくりを進めなければなるまい。
 1年間のご愛顧ありがとうございました。