「もとうら」有難う 関係者見送り 解役し函館向かう

 稚内海保は16日午後中央埠頭北岸壁で老朽化により解役する巡視船「もとうら」(325㌧)の見送り式を行った。式終了後、網信幸稚内海保部長らが解役に伴い函館に向かう巡視船の最後の航海を見送った。
 昭和61年に浦河海保に就役し、平成24年1月に稚内海保に配属されて12年間、宗谷の海の安全に寄与してきた巡視船「もとうら」は利尻・礼文からの急患搬送、稚内沖で操業していた漁船や外国船火災の消火作業、航行不能になった外国船の曳航作業などに携わり、海の治安を守るため38年間に亘って活躍してきたが、老朽化により今月22日で役割を終える。
 見送り式で網部長は3年前にあったロシア国境警備局による稚内機船所属の底曳き船の拿捕での対応、知床の観光船沈没事故での行方不明者捜索などにも関わってきた「もとうら」の活躍を振り返り「乗組員の皆さんは最後の一瞬まで任務を全うできるよう整備してくれました。皆さんともとうらの努力、献身には感謝しかありません。本当にご苦労さまでした」と挨拶した。
 来賓の工藤市長は「稚内港では12年間に亘って北の厳しい環境の中、北部の海域で海の安全に寄与して頂いた。無事に役目を果たし、きょうの日を迎えられたことに敬意と感謝を申しあげたい。お疲れ様でした」と述べ最後に「皆さんの協力で任務を全うすることができました。船齢38年を迎え解役となり、本日稚内を離れます。稚内で12年間、本当にお世話になりました」と謝辞を述べた小松久祥船長に花束が贈られた。
 式終了後、出港準備を整えた「もとうら」は午後3時15分過ぎ、網部長らに見送られながら稚内港を離れた。
 もとうらの後任には巡視船「さろべつ」(195㌧)が配属される。20日以降、稚内港への入港が予定され、年明けに就役式が開かれる。

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