週末雑感

 常々、社員に〝男芸者〟になるなと教えている。その世界で太鼓持ちと言うのだろうが芸妓さんには大変失礼な言い草だが、こう説諭している。
 人というのは何か(とりわけカネかな)を得ようとすると媚を呈する。女性なら未だしも男ならみっともないので止めた方がいい。
 生きていれば色々な事があり不条理だと思うことがあっても機嫌取りと強弁せぬも従うことがよくある。そこにはカネが絡む事案が多くカネ欲しさに芸者になったかのような男がいる。男たる者、武士は食わねど高楊枝さも必要で、何か圧力をかけられても屈してはいけない。
 以前あった稚内の選挙で某建設会社のトップが相手候補を支援する同じ建設会社社長に圧力をかけると共に条件を提示し支援を止めさせたという話を聞いた。大人の社会においては自然なことなのだが、その話を聞いた筆者は義憤を感じたものであった。
 まだ50代半ばと今と比べると若かったと言えど、その遣り口には怒りしかなかった。その後、その建設会社トップが小紙にも因縁をつけてきたこと、承知の方もおられよう。
 よく背に腹は代えられぬと言われるが切羽詰まっても圧力に屈してはならず、その精神の無さを「男芸者」と言っているのだ。
 生きていれば理不尽なことはよくある。泥水を飲んでも対処せねばならず成功する人は泥水をすするような辛苦を経験し頂点に立っている。
 苦労知らずの2代、3代目社長にもっともらしい事を言われる筋合は無い。勘違いしないでもらいたい。